隙間バイトで学童保育は大丈夫? 公立と民間の比較と現場の課題

こんにちはantakaです。

 

さいたま市が2024年4月から開始した「放課後子ども居場所事業」で、職員の一部が隙間バイトアプリを通じて採用されたことが話題となり、多くの議論を呼びました。

 

この事例では、保護者から「先生が頻繁に変わるのは不安」や「子どもの心理的な安定が心配」といった声が上がっています。

 

特に、短期間で働くバイト採用の形式は、子どもの安全を確保する上で懸念を生んでいます。

 

この背景には、学童保育現場での慢性的な人手不足があると言われています。

 

人手不足を補うために、短期のアルバイトを採用する手段が取られることがありますが、専門家からは、短期バイトでは子どもたちにとって安定した保育環境を提供するのは難しいとの指摘があります。

 

学童保育とは?

学童保育は、共働きや一人親家庭の小学生が、放課後や長期休暇中に過ごす場所として利用される施設です。

 

子どもたちは遊びや学習を行い、友人との交流を深めることができるため、家庭と学校の間をつなぐ重要な役割を果たしています。

 

学童保育の職員は、子どもたちの安全を守りながら、心身の成長を支える存在です。

公立と民間学童保育の数

2022年時点で、日本全国には約26,683か所の学童保育施設があり、そのうち約75%が公立施設です。

 

公立学童保育は主に自治体が運営し、小学校の近くに併設されていることが多く、保護者にとって利用しやすいというメリットがあります。

 

一方で、民間学童保育の数も増加しており、2023年の時点で約2,220か所の民間施設が運営されています。

 

特に都市部で民間学童保育の利用が増えている傾向があり、柔軟なプログラムや個別対応が魅力とされています。

公立と民間の違い

学童保育は公立と民間で、運営形態、費用、提供されるサービス、職員の配置などに多くの違いがあります。

 

それぞれの特徴を詳しく比較してみましょう。

1. 運営主体の違い

  • 公立学童保育は、自治体が運営しており、地域の小学校に併設されることが多く、アクセスが良く、費用も抑えられています。全国で約75%を占めるのが公立施設です。
  • 民間学童保育は、企業や非営利団体が運営し、柔軟なサービスや独自のプログラムを提供します。近年は増加傾向にありますが、全体の25%程度です。

2. 費用面の違い

  • 公立学童保育は、自治体の補助があるため月額料金が比較的安価です。料金は一般的に5,000円~10,000円です。
  • 民間学童保育は、運営者によって料金が設定されており、月額20,000円~50,000円ほどで、追加のプログラムにより費用が高くなることもあります。

3. サービス内容の違い

  • 公立学童保育では、基本的に子どもたちの安全を守り、保護者が帰宅するまでの間の見守りが中心です。自由時間が多く、学習サポートは基本的に提供されません。
  • 民間学童保育では、宿題のサポートや特別プログラム、習い事など、個別対応が充実しています。保護者のニーズに応じた多様なサービスが特徴です。

4. 職員配置の違い

  • 公立学童保育は、職員が法的な基準に基づいて配置されますが、都市部では職員不足が問題で、1人の支援員が多くの子どもを担当することもあります。
  • 民間学童保育は、施設の裁量により、職員の配置に余裕があり、個別対応がしやすい環境が整っていることが多いです。

5. 利用可能時間の違い

  • 公立学童保育は、学校の放課後から18時までの利用が一般的です。延長保育を行う場合もありますが、柔軟な対応には限りがあります。
  • 民間学童保育は、早朝から夜までの対応が可能な施設も多く、保護者の勤務時間に合わせて柔軟に利用できる点が魅力です。

6. 保育の安定性

  • 公立学童保育は、年度を通して同じスタッフが見守るため、安定した人間関係を築くことができますが、職員不足や交代が発生するリスクもあります。
  • 民間学童保育は、スタッフの交代が少なく、より継続的なケアが提供されやすい環境です。専任のスタッフによるケアが行われることが多く、子どもたちにとって安心感があります。

人手不足への対策提案

今回の人手不足問題の背景には、保育スタッフの待遇や採用方法に改善の余地があると考えます。

 

以下に、いくつかの対策を提案します。

1. 職員の待遇改善

学童保育の職員に対して、給与の引き上げや長時間労働の是正を図り、職業としての魅力を高めることが必要です。これにより、新たな人材を確保し、既存の職員の定着率を向上させることができます。

2. 採用方法の見直し

隙間バイトアプリを使用するのではなく、地域密着型の採用活動や保育士資格取得支援プログラムを導入し、長期的に関与できる人材の確保を目指すべきです。大学や専門学校との連携も有効です。

3. ボランティア制度やパートタイム職員の活用

地域の高齢者や学生を活用し、ボランティアやパートタイム職員として短期的に補完することが可能です。これにより、慢性的な人手不足を解消し、長期的な人材育成を行うことができます。

4. ITや自動化の導入

事務作業の効率化を図るため、ITや自動化技術を導入し、スタッフが子どもと向き合う時間を確保することも重要です。

5. 保護者との協力体制の強化

保護者が協力できる体制を整え、学童保育のサポートを地域全体で分担する仕組みを構築することも有効です。

まとめ

公立と民間の学童保育にはそれぞれの利点と課題があり、保護者は費用、サービス、そして子どものニーズに応じて最適な選択をする必要があります。

 

公立学童保育は費用が安い一方で、職員不足や限られたサービスが課題です。民間学童保育は費用が高いものの、個別対応や豊富なプログラムが魅力です。

 

今回のような隙間バイトアプリでの職員募集は、人手不足解消には役立つかもしれませんが、やはり子どもたちを長期的にサポートする保育の現場においては、安定性や信頼性が子どもたちを長期的にサポートする保育の現場においては、安定性や信頼性が非常に重要です。

 

隙間バイトアプリの活用は、即時的な人手不足の解決にはなるかもしれませんが、子どもの心と体の成長を支える学童保育では、長期的に関わるスタッフの存在が不可欠です。

 

また、バイトでの採用が許される仕事と、そうでない仕事をしっかり区別することが大切です。

 

特に子どもたちの安全を預かる職場においては、慎重な採用と教育が必要で、単発のバイトでは十分に対応できない部分があります。

 

私の考えとして、学童保育のような現場では、安定した人材の確保に重点を置き、長期的な雇用を優先するべきだと感じています。

 

こうした背景を踏まえて、学童保育の人手不足に対しては、職員の待遇改善、採用方法の見直し、ボランティアやパートタイム職員の活用、そしてIT技術の導入など、さまざまな対策を講じることが重要です。

 

これにより、質の高い保育環境を提供し続けることができるでしょう。

 

ご覧いただきありがとうございました。🌸