こんにちはantakaです。
最近、店員や従業員が顧客から無理難題を言われたり、暴言を浴びせられたりするカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会的な問題となり、国なども防止策の検討を始めています。
この問題の背景には、「お客様は神様です」というフレーズが誤解され、顧客の立場が過剰に強くなっていることが一因として挙げられます。
今回は、この言葉の本来の意味と、その誤解について掘り下げてみたいと思います。
「お客様は神様です」の誕生
「お客様は神様です」というフレーズは、昭和36年ごろ、戦後の昭和を代表する歌手、三波春夫さんがある地方公演で口にした言葉が発端でした。
司会者に「お客様をどう思いますか」と問われた際に、三波さんは「お客様は神様だと思いますね」と答え、会場が大いに盛り上がりました。
この言葉が各地で評判となり、広く使われるようになりました。
本来の意味
三波春夫さんが「お客様は神様です」と言った本当の意図は、自分の芸を完璧にお客様に届けるために、まるで神前で祈る時のような心構えで舞台に立つというものでした。
つまり、芸に対する厳しい姿勢とお客様に対する敬意を込めたものであり、「お客様は神様だから、何をされても我慢しなければならない」という意味ではありませんでした。
誤解の広がり
しかし、この言葉が広まるにつれて、三波さんの真意とはかけ離れた解釈で使われるようになりました。
特に、客が店に対してクレームをつける際の言い訳として利用されることが増えました。
三波さんの長女、三波美夕紀さんも、この誤解について、三波さんが生前に何度も説明したにもかかわらず、誤った解釈が広まってしまったと語っています。
カスタマーハラスメントとの関連
現代において、この誤解された「お客様は神様です」という言葉がカスタマーハラスメントを助長している一因となっています。
カスハラを起こすような顧客は、この言葉を盾に、店員や従業員に対して無理難題を押し付けたり、暴言を吐いたりすることがあります。
三波春夫さんの芸に対する姿勢
三波春夫さんは、シベリア抑留の経験を経て、人間の極限状態でも娯楽の重要性を認識し、帰国後は芸一筋に生きました。
「歌う時には、神前に立って祈るような心で雑念を払う」という信条のもと、お客様に敬意を持って接することを大切にしていました。
三波さんにとってのお客様は、あくまでオーディエンスであり、カスタマーではなかったのです。
まとめ
「お客様は神様です」という言葉の真意を理解し、正しい形で顧客と接することが求められます。
カスタマーハラスメントを防止するためには、顧客も店員もお互いに礼儀を尊重し、健全な関係を築くことが重要です。
特に、「お客様は神様です」を勘違いしている人は、お互いに敬意を持って接することの大切さに気づいてほしいものです。
三波春夫さんの言葉を正しく理解し、その精神を現代社会に取り入れることが、カスタマーハラスメントの防止に繋がるのではないでしょうか。
この記事を通じて、「お客様は神様です」という言葉の本来の意味を再確認し、カスハラの問題に対する意識を高める一助となれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。💮